観劇アレコレ日記

いわゆる「イケメン舞台」についてのアレコレ。

2016.07.26ソワレ 7.27マチネ 少年社中 「三人どころじゃない吉三」 紀伊国屋ホール ② 役者

ネタバレしてますので、閲覧注意!!!

トーリーの核心に触れますので初見で楽しみたい方は

観劇後に読んでください

 

 

 

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鈴木拡樹さん(お嬢吉三 役)

久しぶりに(ってわけでもないけど)自分の役だけに

芝居だけに向き合える舞台なんじゃないかと感じた

演じるのがとても楽しそうでイキイキしてる

個人の感想だけど、ここのところ

ノラガミとかDMCとかなんか難しい役が多くて

どう頑張っても拡樹には合わないだろーとか

座組をまとめるのが大変そうな舞台が続いた気がする

 

社中は劇団の基盤がしっかりしてて、座組作る大変さとか感じないし

ゲストのキャストも共演したことのある役者ばっかりで

お互いに高め合える役者や、先輩だし

脚本は拡樹の当て書きだから

拡樹の持ってる魅力が最大に発揮できるようなキャラで

衣装も拡樹の魅力を引き出すオリジナルだし

ファンとしては心から

「良かったね!!!」って思える

社中・毛利さんありがとうございます!!!

って拝みたくなる作品

 

あと、無理な殺陣や歌、ダンスも無く(役者にとって負担となるという意味で)

演じることに一番の重点が置かれてるから

演技を堪能できる

演技や役の作り込みにだけ集中できたんじゃないかな

 

拡樹は自分の推しではないけど

もし、自分の推しがこんな舞台でこんな役をもらえて演じる日が来たら

本当に光栄で嬉しい事だと思う

その位、素晴らしい役なので、拡樹ファンは是非見たらいいと思うよ

 

役については

どこから説明しようかな

 

お嬢吉三は女装の男性役

泥棒する為に女装してる

女装して女の振りしてる時には綺麗でキュート

とっても美しいの

でも、泥棒の為だから中は男で

男の時はとっても男らしい。女装してても男らしい

この演じ分けが凄く上手い

声や身振りで「女の服着てる男」っぽさがぷんぷん

それが、女のふりしてる時は美女なんだからスゴイの一言

こういうのは拡樹が得意だし

拡樹の魅力が発揮される役どころだと思うので

配役してくれた毛利さんに感謝

 

ギャグのセンスというか

役の突き抜け感がコミカルで

違和感がなく拡樹の面白いところが

前面におしだされるような笑いを持ってきてる

これも当て書きならではでしょう

毛利さんに感謝(再び

(※ノラガミのギャグの方向性がとても気に入らなかった)

 

リセットシーンでのコミカルな動きも得意そう

タイムリープして、逆再生する動きがあるんだけどね

大変面白い事になってる

そして、あっさりバットエンドになる

そしてまた巻き戻しの繰り返し

たたみかけるように繰り返される

逆再生と再生とバッドエンドがコミカルなシーン

匠馬くんも一緒になってへとへとになっていく

とても面白い笑いどころのシーンだった

これは面白い動きとシーンだけど

よく考えたら凄く悲しい事だし

そっからのカオス状態へと繋がるので

脚本の持ってき方も凄く上手

 

はじめは面白いんだけど

後半はどんどん手詰まりになり

二人で汗だくになりながらタイムリープを繰返し

死体の山の前で呆然とする

息の詰まる閉塞感へと盛り上がっていく脚本が素晴らしい

とても体力使いそうなシーンで

二人とも汗だくになってて

それが舞台の役にクロスし

あの汗やぐったり感がリアリティーを出してて

凄く必要な過程なんだろうと思う

脚本の持ってきかたがほんとに上手いなー!

 

面白いといえば

岩田くん演じる和尚吉三が自己紹介でラップするシーンがあるんだけど

他のキャストがノリノリなのに世界感に溶け込めずにキョトンとする拡樹

が見れて超可愛いです

対するお坊吉三(堀池さん)も戸惑うものの、すぐ合流し

れいかさんとノリノリで踊りだすのも面白い

最後にはお嬢もノッてきて謎ダンスしてるのが超可愛い

これはお嬢としてなのか、それとも拡樹としてなのか

絶妙で超可愛い

 

ラストの口上は赤の衣装が映えて

最後にウインクするところがめちゃキュート!!!

このウインクは教えてもらうまで気が付かなかったので

よーく拡樹に注意して見てて欲しい

客席にむかってウインクして微笑む拡樹の笑顔は

2時間の舞台全てがこのウインクに向かって進んできたと言っても過言ではなく

全ての役者の演技が、拡樹の笑顔とウインクに集約されてると思う

皆の笑顔の為に永遠の時を重ねて

タイムリープしてきたわけだからね

そして意味深に客席にウインクするんですよ!!!

どうなの、この最高の演出!!!

客も、タイムリープを見届けてきた仲間なんです

客も吉三の一員となって物語に入り込む瞬間

「やったよ♪」って意味を込めた

拡樹の意味深なウィンク最高オブ最高

毛利さんありがとう!!!!!

 

ウインクに気づいたら「わああああ!」ってなったので

これから観に行かれる方は是非注目して下さい

 

 ※追記

ウインクの演技は、毛利さんの演出では無く

拡樹が勝手にやり始めた、という情報あり

(毛利さんに直接聞いた人がいたようです)

だとしたら、拡樹天才じゃない??

ウインクで舞台の役者と客が繋がるんだよ

これは、観に行った他の人とも語ったので

私個人が感じた感想だけではないです

他の人も感じているようです

拡樹天才やん?!

 

 

山本匠馬さん (康申丸 役)

匠馬くんも凄くいい役者さん

康申丸は刀の化身

名刀で、康申丸を巡って争いが起き

登場人物達が殺し合ったり合わなかったり

物語のストーリーテラーというか

キーパーソンだったりします

康申丸の力を借りて、お嬢吉三(拡樹)がタイムリープを繰り返し

全員のハッピーエンドを目指します

 

匠馬くんも当て書きなんだろうなと思わせる役どころ

真っすぐで信念のある役

 男らしくてとても良い役です

 

複雑な人間関係の縁を絶ちきるため

お嬢や他の登場人物に寄り添い

タイムリープを繰返します

 

人間じゃないから、衣装も単色で

薄い紫色のような小豆色

左の肩から袖に銀の格子模様がうっすらと入ってました

声、滑舌、立ち振舞い、演技、オーラ

どれも凛としてて、ほんとにいい役者さんだなーと改めて感じました

 

 

中村龍介さん (木屋文里 役)

龍ちゃんもとってもい役者さん

声が通って滑舌もいいし、動きのキレがいい

ダンスもキレッキレで独特

目線も綺麗

役も「漢の中の漢」ってかんじ

これも当て書きだと思われ、とってもピッタリ

 

既婚者で奥さんがいるのに

花魁の一重のところに入り浸ってて

一重のお家再興に手を貸し、一重も嫁にしたいと願う人物

一重は文里の為を思って、うんとは言わないが

本心では文里の所に行きたいと思ってる

 

こう書くと重い関係なんだけど

文里がさっぱりした性格で、言葉の最後に必ず

「嫁に来ないか」って冗談っぽく言って

「お断りします」と一重が言うのが1セットになってて

ちょっとしたコント

 

それでもあきらめずに「嫁に来ないか」と言い続ける文里がグッとくる

既婚者なんだけどね

最後には本妻の了解を得て、一重を幸せにしても良いと言われた

といって筋を通す

しかし、安森の呪いによって家業が傾き

一重に別れを告げる

この時も

「一重にお別れを言いに来た、もうお前を幸せにしてやれない」

となんだか漢気たっぷり

それが似合う龍ちゃん

 

龍ちゃんはパッと見ごつくてガタイが良い雰囲気なんだけど

よく見たら綺麗ですっきりした顔立ちしてて

なんかツルンとしてる

最後客席降りで、隣に来たので凄く近くで見れました

このシーンではキャストが思い思いにアドリブ言ってるんだけど

一重をエスコートしながら目合わせしたり

舞台上の三人の吉三に向かって

「自由だな」

って呟いてたのが可愛かったです

 

 

和泉宗兵さん (安森源次兵衛 役)

和泉さんは、なんだかんだで3~4作見てる役者さん

今回が一番好きかもしれない

いつも飄々とした雰囲気で

作品にスパイスを与える印象

今作でも、幽霊になって康申丸を持った人を呪う役

ユウレイの安森が出てくると

ライトが緑になってとっても面白い

飄々とした雰囲気がほんとうにピッタリで

これも当て書きかなーと思わせる

ユウレイで、どんどん呪ってくんだけど

なんだかキュートなユウレイなんだよね

ギャグの方向がとてもいいかんじで

舞台に馴染んでたので好みでした

(※ノラガミの方向性は気に入らなかった)

すっごく背が高くて、ガタイがいいので存在感あったなー

安森・伝吉・海老名の三人が19年前の三人組

三人の吉三が現代の三人組

になっててバランスもとても良かったです

 

 

堀池直毅さん(お坊吉三 役)

個人的にすんごく好きな役者さんなのです

堀池さんは体が小さくて顔も特別イケメンでもないのですが

舞台上のオーラがキレッキレですんごいの

ザ・舞台役者ってかんじ

あと、ダンスが綺麗で

OPとEDでジャンプする振り付けがあるんだけど

凄く綺麗で見入ってしまう

堀池さんのダンスもう少し見たかったな

 

役どころは、これも堀池さんが得意そうな印象

武家出身の浪人で泥棒

でも、武士だから筋は通すし、考えも武士っぽくて

義理とを重んじる

 

髪型が長めのウエーブで麗しかったです

 

少年社中 「三人どころじゃない吉三」 ① 

少年社中 「三人どころじゃない吉三」 ③ あらすじと考察 

少年社中 「三人どころじゃない吉三」④ あらすじと考察 

 少年社中 「三人どころじゃない吉三」⑤ 疑問点と考察