2016.07.26ソワレ 7.27マチネ 少年社中 「三人どころじゃない吉三」 紀伊国屋ホール ⑤ 疑問点と考察
あらすじと役者感想はこちら
思い出しながらあらすじをなぞりましたが
複雑だし、情報量が半端無く、理解できてないところも沢山あったので
なんとなくこんな話だったなーと思っていただければ
細かいところに疑問が残り
自分の理解不足なのか
説明されてないのか
時代の考え方なのか
そこも、分からない
ただ、一緒に見た4人でストーリーを検証したので
ものすごくかけ離れてはないと思います
疑問点
●名前が吉三というだけで、義兄弟の契りを交わす三人
見てて「え?そんなんで?交わしちゃう?」
って位には違和感
時代の考え方なのか
原作でも、義兄弟の契りのくだりはこんなかんじらしいです
●康申丸の行方
(理解不足もあり)
19年前は安森が持ってて
伝吉に盗まれ河に落ちる
こっからが謎
タイムリープのはじめ(物語の最初)は
金貸しの太郎ちゃんが持ってたり
道具屋の文里が持ってたり?
19年ぶりに河から見つかった、とか言ってた気もするけど……脳内補整??
金貸しの太郎ちゃんが持ってたのを
お嬢拡樹が奪い、その後もずっと持っているのだから
安森→伝吉→河→19年経過→河から発見→文里→太郎→お嬢
という流れか?
文里が康申丸を持ってた事に
自分は気づかなかったのだけど
友人が「十三郎に康申丸と100両と替えに行かせた」
と証言していたので、そうなのでしょう
安森が文里を呪うんだし、何か繋がりがあったのは確か
☆追記:三回目観劇後
康申丸の流れ
・安森が将軍から預かる
・伝吉が盗む(安森責任を問われ切腹)
・伝吉河へ落とす(孕み犬を切り殺し、呪われる)
・19年経過
・19年ぶりに発見され、木屋の元へ(手代の十三郎がお使いに)
・海老名が買うが安森に呪い殺される(100両を金貸しより借入)
・海老名が死んだため、金貸しの太郎の元へ担保として渡る
・金貸し太郎とお嬢が道で出会い、お嬢の手へ(お嬢は康申丸とは知らない)
・切腹しようとするお坊にお嬢が差し出す
こんなかんじです!三回見てようやく分かった!
●義兄弟の筋を通すとかで実の妹を殺す和尚
自分の理解不足もあるかと思うが
畜生道に落ちたから殺す、という理由があり
でもそれを伝えないのは兄の情け
とか言ってたので
近親相姦は相当の罪なのらしいけど
別れればいいだけじゃん?と思ってしまう
良いことではないけど、肉親から殺されるほどの重罪なのか
まわりも、それは死ななきゃダメだ、みたいな雰囲気だし
これも時代の考え方なのか
●名前が吉三だったから、
とかいう軽いノリで交わした(と感じる)義兄弟のすじを通すため
お前たちを殺してから、仇の吉三達を討つ、と言う和尚に
それならば、と納得して殺されるおとせと十三郎
え?そんなんで死んでいいの?!って思った
畜生道に落ちたから、もう現世では結ばれないから
来世で結ばれよう
という理由の方が納得できるきがするけど
●地獄では雪が降っている
雪はとても重要なアイテムのひとつ
殺しの場面でも雪は降っている
ラスト、春なのに雪が降っているのは何故か?
雪が降っているのに寒くないのはなぜか?
本当にハッピーエンドなのか?
タイムリープの過程にすぎないのではないか?
これ同行者が言ってた疑問点
私は、ハッピーエンドだ!!って素直に思っていたが
そう言われれば……となる
●最後の衣装チェンジ
「服の重さは罪の重さ」という台詞があり
EDでは衣装が変わり、全員が半袖
(上を脱いだだけのようだが)
罪が軽くなったという事か?
なら、やはりここは地獄なのか?
そして、一人だけ着物のお嬢は何か理由があるのか
これも友人が言ってた疑問点
私は軽く流して見てたけど
お嬢だけ罪を背負ったので真っ赤な衣装に変わった
と考えられなくもない
私の印象では
着物はただの歌舞伎の舞台衣装で
タイムリープの時間軸が現在(上演時期)と重なり
夏の設定になり
有名な「こいつは春から縁起がいいわえ」の口上を
「こいつは夏から」に変え
ちょっとした遊び心の演出なのかなと思った
お嬢が演じるのも
遊び心の演出かと
深く考えなかったな
三回目観劇後考察
お嬢の衣装は、赤のものすごい薄い生地の振袖
よく見ると、腕が透けて見えている
そして、振袖の下に着ているのは他の人物と同じ
半袖の下着のような衣装
女性陣は、片袖しか脱いでいなかったりするし
お嬢が一人罪をかぶったわけではなく
お嬢の罪も同様に軽くなったと考えていいのではないか?
それまでの衣装は全て透けのないしっかりした生地だった
●EDで降り注ぐ紙吹雪
それまで紙吹雪は雪で、雪が降るのは地獄の象徴だった
だから、ラストの紙吹雪にも意味があるのではないか?
これも友人が言ってた疑問点
私の印象では
ハッピーエンドを選択した時間軸で
活躍するお嬢が演じる
舞台の花吹雪
と理解していたが……
三回観劇後疑問点:追記
●記憶を持ってタイムリープ出来るのは三人まで、という閻魔の言葉
途中、和尚が「今はお嬢の番か」というセリフがあるので
和尚は記憶を持ったままタイムリープを諦めていた可能性あり
すると、あと一人は誰か?
お坊ではないか?
お坊は、記憶があるままタイムリープしている事を推測できるセリフは無かったが
いつも100両持っている人物の前へタイミングよく現れるので
お坊の可能性あり
最後に力を合わせて、ハッピーエンドのラストを模索したと考えられないか
そうすると、「安易に義兄弟の契りを交わした」と感じていたが
タイムリープでお互いに深く関わっている事を知ってるので
あっさり契りを結んでもおかしくは無い
ここまで疑問が出るのは
人間関係が複雑なのもあるし
毛利さんの舞台は隠された演出が多く
表面上はそのままの意味なのだけど
深読みすると、全く別の意味を持つ
という事が凄く多いからなんです
初見と2回目では全然印象の違う舞台になる
一回見ただけでもちろん面白いし
複数回見ると、伏線が張ってあったのに気付いて
全く違う印象の物語になるのです
毛利さんの脚本は凄い
(ネバーランドなんか、2回目ではOPで号泣出来ます)
あと、友人は回数見てるから
2回の自分には気づかないこともあり
もう一度観劇の機会があるので
疑問点をよーーく見てきたいと思います