観劇アレコレ日記

いわゆる「イケメン舞台」についてのアレコレ。

2016.09.28 エリザベート 東宝 梅田劇場 キャスト 感想

田代万里生さん (フランツ・ヨーゼフ 役)

 

万里生さんの凄いところはなんといっても「老け演技」

途中で役者が交代したんじゃないかと思うくらいの

自然な年の取り方

どう見ても後半はおじいちゃんだった

声や立ち振る舞い、すべてが80代の老人にしか見えなかった

メイクで多少は老けさせてたけど、でも年齢を超越してたと思う

 

万里生さんは、童顔ではつらつとした顔立ちで

皇太子時には、本当に気の弱い、品のいいお坊ちゃんってかんじなのに

40代、50代と年齢を重ねて行き

最後は80代くらいのおじいちゃんになってた

歌声も老人の歌声だった

自然すぎた

自分は5列目で見てたから、かなり細かい所まで観察できたのだけど

それでもおじいちゃんにしか見えなかったです

3時間の舞台の中で、10代の青年から80代の老人まで、演じられるの凄い

ビックリした

そして、ラストは老人で終わるんだけど

カテコでまた初登場時の青年皇太子姿ででてくるもんだから

度胆抜かれたわ

 

皇太子時は、とても澄んだハリのある美しい声で

老人の時は低いしゃがれた深みのある声

どっちも自然で違和感なくて

無理に年取った声出してるかんじではなく

歌声の演じ分けに脱帽

低音も高音も自在で、更に全く違う年齢の役を演じながら歌う

声の演技力が凄かったです

 

演技に関しても、腰曲げて老人っぽくなってて

喋り方も老人だったし

本当に万里生さんが一人で演じてたのか、って驚きました

 

 

涼風真世さん (ゾフィー 役)

 

涼風さんについて何の情報も無く、全くの初見時の感想

「すっごく良かったし、後半の老け演技では

こぶし入れる歌唱法だったり、ガナリ入れたりして上手く老人をやってた

でも、ゾフィーするにはちょっと若すぎるし綺麗すぎじゃないかな

年相応の役者じゃないと大変そう・・・

なんなら、涼風さんがシシィでも良かったんじゃ?」

 

事実を知ってから「マジかよ!!!!?」

ってなりました

お顔が美しいのは見た通りで

スタイルも抜群に美しくて、華奢で

立ち姿もスッとしてて、本当に気品に充ち溢れてるのです! 

 

 

5列目で見てたんですが、肌の透明感、オーラ、気品、美貌が溢れ出てて

まぶしかったです・・・

「皇太后」の気品に充ち溢れてました

涼風さんのゾフィーは「完璧で美しい」

王家の気品に充ちあふれてるから、田舎者のシシィに対して

「私がこんなに美しく完璧なのだから、あなたは私に少しでも近づきなさい」

という冷徹さが感じられて怖い

皇太子もこんなに美しくて完璧なママに

こりゃ逆らえないわ、っていう説得力がある

 

娼婦の館のシーンでは

完璧で美しく気品高い皇太后

「息子に娼婦をあてがう」とういうゲスイ行為をする、という衝撃があって

インパクト強かったし、手段を選ばない必死さというか

「そんなことまでしちゃうの!?」ってギャップが映えてたと思う

シシィに同じ女として同じ土俵で戦うようなそんなイメージです

でも、昔の事だから、実際にそんなかんじだったのかもしれない

まだまだ若く美しく力のある皇太后の所に

小娘の皇太子妃が嫁いでくるかんじだったのかも 

本当に、初見のまっさらな何の先入観も無い状態で見たら

涼風さんは40くらいだと思ってたんだよ!!

 

カテコで、自己紹介する時に

「昔妖精、今妖怪、涼風真世でございます」

って言ってて

昔妖精=昔はシシィ役(過去に演じたことがあるのだろう)

今妖怪=現在はゾフィー役(シシィを苛めるから?)

って意味なのかと勝手に思っていたのですが

裏の意味?があったのですねw

 

涼風さんは今でも妖精です!!!

 

あと、カテコでの「昔妖精~」のくだりでは

他のキャストが「なにそれーいいなー」

って自己紹介の枕詞があるのを羨ましがっていました

 

 

 

香寿たつきさん (ゾフィー 役)

 

ソワレが香寿たつきさんだったので

一般的なイメージ通りの「皇太后」で安心したのを覚えていますw

たつきさんも美しく、気品に溢れてる事には変わりないのですが

「皇太子や宮廷を牛耳る女帝の貫禄」みたいのがありました

いかにも意地悪な姑!!ってかんじ

そして、娘時代はさぞかし美しかったんだろうと感じさせる

大人の美しさもきっちりあって、本当にイメージ通りで完璧な皇太后

 

娼婦の館のシーンでは

たつきゾフィーならこの位余裕でやりそう~

って十分納得できるシーンになってて

感じ方が全然違いました

 

皇太子やシシィとは別の世代で生きている

説得力があり、力強い

 

歌声も力強く、低音が美しかった

なんというか、ベテランが演じてる包容力が感じられました

座組みにどっしりとした重石があるような安心感でした

 

 

二人のゾフィー所感

全くタイプが違うゾフィー

ベクトルが逆なんだけど

どっちも美しくて怖い

どっちの皇太后でも嫁に行きたくはないですww

Wキャストの面白さが存分に感じられる配役だと思いました

 

 

古川雄大さん (ルドルフ 役)

 

今回チケット取る目的の一つ、ゆん

綺麗だったし頑張ってたよー

しかし、ゆんの歌唱力をもってしても東宝は歯が立たない

1789では「お!やるじゃん」ってかんじだったけど

エリザの座組じゃまだまだひよっこ

次世代のトートはゆんじゃないかって噂もあるけど

相当修行しなくっちゃ、まだちょっと無理かなぁ

他のキャストが上手すぎてしょうがない

井上トートとのデュエット「闇が広がる」?では

井上さんにおんぶされてまーすってかんじ

井上さんが低音で美しいので、それにゆんの高音が乗っかってる

ちょっと声が軽いのかな

 

そうはいっても、ゆんの実力はかなりあるので

まだまだ伸びしろがある事を理解できたというか

上には更に上がいるんだなと感じました

これ以上ゆんが成長したら最強じゃない??

 

ダンスの方は、実力を買われているらしく

無駄に多かった気がする

ターンの美しさ健在

 

そして出番が少ないので色々な場面でアルバイト()してて面白かった

アルバイト時のやる気の無さが笑えた

オーラ消すとそうなるのか

下手ではないんだけど、キメポーズ以外は力抜いてる風のダン

そんで群舞ではあんまり本気で歌ってない

多分地毛でバイトしてるようで、くるっくるの巻き毛で可愛かったです

 

演技では、出番が少なく

(すくないというか、集約されてるかんじかな)

子ルドルフからいきなり成長して出てくるので

感情移入出来ないまま、ルドルフのクライマックスシーンに突入

まわりに翻弄されて、なんだかよく分かんないまま

クーデターしちゃう

この辺りの展開が早くて

「おやおや?」ってかんじで駆け抜けてしまいました

(個人の感想です)

 

わー!ゆん出てきた~!美しい~!!

ってなってから、怒涛の歌唱とダンスで、あっという間に

奈落に吸い込まれていった・・・

見どころはあるはずなのに

感情の消化不良が残る程度には物足りなかったです

 

あと「僕はママの鏡」っていう曲があって

僕とママは似てるから、僕の気持ち分かるでしょ?

って内容なんだけど

 

ルドルフとエリザベートが似てる、って描写が無くて

ルドルフが一方的にママに想いを寄せてるような雰囲気に感じられました

それが狙いなのかな?

なんだか空回りな人物像で

インパクトのある役なのに、グッとくるかんじは無かった・・・

 

もう少し、ゆっくりルドルフのゆんを堪能したかったなぁ

 

 

山崎育三郎さん(ルイジ・ルキーニ 役)

物語のストーリーテラー、ルキーニ

山崎さんの歌唱はミュージカル界では独特なんじゃないかなぁ

ラテン系というかエモーショナル

この役にはとても合ってたけど

他の役ではどうなんだろう?って位には異端なかんじでした

上手いのはとても上手かったのですよ

なんだかねちっこい(褒めてる)声で

立ち居振る舞いも異端な印象でした

他のキャストが正統派なので、キャラクターが立っててとてもよいスパイスでした

そして、中の人の性格がちょっと反映されてるんじゃないかな?

って感じの演技だったのですが、初見なのでどうなんでしょうか?

他の役も見てみたいなと思わせる演技でした

 

小柄なイメージだったのだけど、カテコで並んだら思ったより背が高かった

なんか、キャラクターが小物っぽくて

オーラが小さく見えてたんでしょうか

身長も錯覚する演技力

スゴイ

 

ストーリーテラーとしてしっかり目立って

物語を進めていく

ある意味では主役の立ち位置です

全てのシーンを説明し誘導していく

キーパーソンらしい存在感を放っていました

 

キャラクターというかストーリーには疑問が残る点が

ルキーニは皇后エリザベートを殺害する実行犯で

ストーリーテラーなんだけど

実生活でこの二人は全く関連性が無いんだよね

ルキーニは「偉そうな奴なら誰でも良かった」的な発言をしてるのだけど

なんでルキーニがエリサベートを殺害する気になったのか

明確な殺意は描かれませんでした

ストーリーテラーとしてはとても面白い絡み方で

物語のあらゆる場面に

あらゆる役に扮して出てきます

こういう演出はとても面白いと感じました

 

 

 

成河さん(ルイジ・ルキーニ 役)

成河さんのルキーニは、わりと正統派

育三郎さんほどのねちっこさは無く

ルキーニっぽい異端さは出しながらも

きっと正統派の歌い方も出来るんだろうけど

ちょっとブルースっぽく歌唱してるのかなと感じさせるような

そんな雰囲気でした

成河さんは初見なので、普段はどうなんでしょうか?

 

物語に溶け込んでる印象で

それほど目立ったかんじはしませんでした

(育三郎さんとの比較)

脇役のストーリーテラーというかんじ

観客を次のシーンにいざなう

そしてスッと闇に捌けていく

影の存在でありながら、最後はエリザベートを刺殺する

そこで一気に物語の表舞台に出てくる印象

ルキーニがそんな大それたことをしてしまうのか!ってびっくりします

成河ルキーニは、物語にずっと関わっていながら

影のような存在なので、最後は「通り魔」みたいな印象

 

ルキーニは、どっちも完璧で

歌唱などでものすごい差はないんだけど

オーラというか、役の存在感が全然違った印象で

とても面白いWキャストだと思いました 

 

 

未来優希さん(ルドヴィカ/マダム・ヴォルフ 役)

マダムヴォルフが最高に素敵だったー!

低音の迫力と、セクシーな声色

曲調も異色だし、衣装も毒どくしくって

一連の物語の中で、異色を放つシーンでした

こういう、キャラクターが立っててセクシーな役はとても好き

選ばれし娼婦「マデレーネ嬢」もセクシーで物凄い存在感でした

娼館のシーンは歌もダンスもとっても煌びやかなので

もっと長く見ていたかったなー

宮廷での堅苦しさとの対比がまた良いかんじで

上手い演出だなーと感心しました

 

 

加藤憲史郎さん(少年ルドルフ役)

かわいいいいいい!!

どっかで見た事ある?って思ったら

清史郎くんの弟ちゃんだったんですね

小さくて可愛くて、高音が綺麗

十分な歌唱力で、ソロを歌い上げるルドルフにはキュンキュンします

こんな可愛い子供を残して、旅に出るエリザベートの心情は

理解できずに、さすがに腹が立ちます

そういう感情が湧き上がってくる、幼いルドルフでした

オープニングではひときわ高音が目立ってて

凄く良かったです

 

 

池田優斗さん(少年ルドルフ役)

歌うまああああああああ!!!

「子役として上手い」は通り越して

「ミュージカル役者として十分上手い」のレベルでした

憲史郎くんより少し年齢が上なのかな?

少し大きい印象でした

歌の上手さに本当に驚きました

子役の可愛らしさも残しつつ、ミュージカル俳優の歌の上手さのレベル

子役でこんなに安定感ある子は初めてでした

ソロ後の拍手は盛大でしたが

カテコは時間が遅くなり出演できなかったのが残念

カテコに出れていれば盛大な拍手が送られる事、間違いなしだと思いました

 

 広瀬友祐さん(シュテファン役)

ちょっと端役すぎた・・・

結婚式のシーンなどでバイトで出ているのに気付き

「あれ?アンサンブルに広瀬君いる?」って思ってしまった

一応役付きの出演ではあったけど

居てもいなくてもいいような役だったような気がする

広瀬君の無駄使いとまでは言わないけど

広瀬君でなくても良かったし

1789での印象的な役に比べたら見せ場も少なかったなぁ

出番が少ないということは無いんだけど

結局どういうキャラクターだったのかよく分からないまま終わっていった