観劇アレコレ日記

いわゆる「イケメン舞台」についてのアレコレ。

2017.07.17 RENT レポ (マチネ)① 村井良大さん・ユナクさん感想

2017.07.17 マチネ

ネタバレ有。2015年版もほぼ同じキャストで見ているので比較あり

閲覧注意

 

2015年版の感想はこちら↓

2015.09.15 RENT レポ (マチネ)① 村井良大さん・ユナクさん感想 

 

 

村井良大さん(マーク役)

もおおおおおお!凄かった!!

2015年版から一番進化したのは間違いなく良大くんです

何がスゴイって、歌唱力の進化がハンパナイ

2015年は

「ミュージカルスターではないので、キャラクターに見合った歌唱力」

と評していたんだけど

2017年は

「間違いなくミュージカルスターの歌唱力」

でした

レントって、ほぼ全編歌で、セリフにも音階が付いてて

歌うようにセリフを言う、ってのが仕様なんだけど

2015年では、セリフと歌の境目がハッキリしてて

舞台役者が歌ってるって印象でした

それが、今回は完全にミュージカルスターの域に達してた

セリフと歌の違和感がないし、歌の素晴らしさがハンパない

他の人と比べても遜色ないどころか、対等にやり合ってると感じました

 

たとえば、ジョアンヌとのデュエット【Tango Maureen】

パワーバランスがジョアンヌと完全に対等

20015年は「気弱な凡人マークと非凡なバリキャリジョアンヌ」

って印象だったんだけど

2017年は「元彼と今カノ」です

自分の方がモーリーンの事よく知ってるよ、って意地悪なかんじが凄くいい

付き合い始めのジョアンヌに対して「モーリーンてこんな事するだろ?」

って自分の付き合いの長さをほのめかしてマウントかますかんじ

すごくいい

それを受けての宮本さんの演技も

圧倒的なパワーで抑えこんでた2015年に比べて

タジタジ、というか

マークを「敵」としてみてる雰囲気で

マークに対する嫌悪が強かった

そして、険悪な二人が結局一緒にタンゴを踊るという流れが

とても皮肉っぽくてコントラストが出てました

 

良大くんの歌唱力が飛躍的にアップしたことからか

役の印象もかなり変わってました

2015年は、他のキャストとの差があり

それがいいかんじで異質感になっており

一人だけ物語に入りこめず

「ノーマルなことが逆に異端で傍観者のマーク」

というストーリーテラー的な立ち位置が物凄くハッキリしてました

カメラを回すのも、自分から発信できないのでただひたすら記録する

そんな印象でした

 

2017年は「キャストの中の一人、ノーマルタイプ」ってかんじ

普通でありながら、やはり一般からははみ出してしまっていて

レントの世界観で同世代の友人と悩み、人生を見つめる人物の一人

という印象です

カメラを回すのは、友人を被写体にして

自分の作品を作る

その為だったらHIVの集まりだって場違いになっても乗り込んで行って撮る

スクープ取るためなら友人も売る

そんな風にうつりました

だから、魂を売ってテレビのカメラマンになるのも

「自分の力を証明したい」っていう目的の一つだったように感じました

魂を売ったというより「現実を受け入れて人生を歩み始めた」ってかんじかな

 

 

つわものキャストの中で、座長としての存在感をはっきり示していました

 

2015年では「気弱なマークと変人モーリーンが付き合ってたのが信じられない」というキャラだったんだけど

2017年は「モーリーンの元彼」で全く不思議はない器の人物です

その位、印象が変わる役作りでした

良大くんのマークのパワーは本当に圧倒的です

 

【La Vie Boheme】

では、皆がやんちゃして下品な表現で自由をアピールするんだけど

2015年では「大人しいマークがまわりに乗せられてやんちゃしちゃった」

ってかんじで印象的な歌詞「マスターベーション♪」に合わせて

マークがそういう振りをするのが意外で、やった後も

「僕だってこういうことしちゃうんだぞ!」みたいなかんじでした

2017年のマークは

もうノリッノリでマスターベーションしちゃう

やった後にまわりの友達と一緒にウェーイ!!ってしちゃう

おもいっきり下品でいい人ぶってない

 

2015年のインタビューで【La Vie Boheme】の英語の歌詞の面白さが

日本語では伝わりにくい、と語っていた

「ツケ払ってないだろ!」「そうでした・・・」と訳された歌詞

2015年版では、お金を払ってない事を他は誰も気にしてないのに

マークだけ気にしてて、シュンとしながら

「そうでした・・・」っていうのがとてもキュートだったんだけど

2017年版マークは

「そうでした☆」(テヘ)ってかんじで

みんなと一緒にウェイウェイしてました

お金払ってないカフェでも乗り込んでいってパーリーナイト楽しんじゃう

わりと下品で下世話でいいかげんなマークでした

 

【Contact】

いろんな表現で激しいエロが描かれる一曲(表現が難しい事をお察しください)

メインは中央で繰り広げられるアクロバティックエロなんだけど

ここは是非マークに注目して頂きたい!

マークは上手の鉄筋状の大道具の上にいるんだけど

ほとんど動かずに鉄筋に向かって立ってて

何してるんだろう?って思ったら

右手の中指と人差し指だけ激しく上下させてて(お察しください)

その後、挿入出来たらしく(お察しください)

鉄筋にしがみついて激しく腰を振ってました(お察しください)

ここ、本当にものすごく面白い演技だったので

良大くんファンだけでなく、広く皆に見てもらいたいです

 

ここでちょっとだけ見られる↓

ミュージカル『RENT』 ゲネプロ 2017 村井良大 ユナク 平間壮一 

2:12秒~左端の良大くんに注目

 

【What You Own】

ジャングルジム状の舞台装置がグルングルン回る演出は変わらず

下段にロジャー、上段にマークが乗ってて

左右対称の動きをして魅せるシーンです

でも、左右対称の振りが多すぎてちょっと飽きた気もする

歌唱力については

ロジャーのユナクさんととても綺麗にハモってて

聞きごたえのある一曲でした

 

 

ユナクさん(ロジャー役)

ユナクさんはものすごおおおおおく日本語の発音が上手くなってた!!

これは度胆抜かれました

何も知らずに観劇していたら韓国出身だって分からないと思う

ネイティブな日本語発音を習得していた

たった2年でこんなに発音が上手くなるものかってびっくりした

2015年は、ユナクさんが韓国の人だって知らなくて

セリフでズコーってなったんだけど

(歌の時は発音が気にならない)

2017年は完璧な日本語発音とミュージカル発音を

セリフと歌で使い分けてました

すごおおいいいい!!

セリフの発音に気を取られなくなったからか

演技に凄く集中できた

2017年ユナクロジャーは「等身大の青年(美男子)」ってかんじです

2015年は「少女漫画の王子様」ってかんじで

ちょっと現実離れしてるというか

ずっと拗ねてるか怒ってるか悩んでて

ヒステリックにギリギリならない位のこじらせ方だったんだけど

 2017年は

病気と過去にとらわれてて現実を見れない悩める青年でした

そこから救ってくれるミミに惹かれる所とか

でもやっぱり一歩踏み出せない所とか

ちょっと臆病になってしまってるけど、本当は爽やかな青年だったんだろうなぁ

と素直に感じさせる演技でした

2015年に感じた「なぜか拗ねてて怒ってる」って印象は無かったです

マークとも対等な友達関係を築いてるかんじ

ユナクさんと座組みのメンバーの関係性が舞台にも反映されてるのか

とても良いかんじに馴染んでました

 

 

歌に関しては、2015年の方が繊細だった印象

高音が凄く綺麗でミックスボイスとかが多用されてて

ナイーブな歌声だったと記憶してるんだけど

2017年はちょっとザラザラしてて、調子悪いのかな?って思う所もありました

音程が安定してないとこがあったり

高音も透明感はあまりなかった

繊細というよりはエネルギッシュでストレートな歌声でした

2015年の印象が強くて期待値が高すぎてそう感じたのかもしれない

でも、十分な声量と骨太な歌声でした

あと、詳しい歌詞は忘れたけど

ミュージカル独特の発音があって

日本語の歌詞を聞き取りやすくするために

普段は使わないような発音するんだけど

それを習得してました

セリフの発音とはまた違う発音で、進化具合にびっくりでした

 

演技に関しては

羽生えた王子様だったのが地に足ついたってかんじの

現実味のある青年の演技でした

2015年では仲間の輪には入らない孤高の雰囲気があったけど

2017年は【La Vie Boheme】で仲間とウェイウェイしてたし

ミミともそれなりにカップルらしいかんじがしました

 

発音が良くなって演技に集中できたおかげで

ミミが死にそうな時に怖くなって逃げてしまう所とか

旅先で曲を作って戻ってくる所とか

ちょっと情けない迷いがある感情も

物凄く丁寧に演じてるのが感じられて

ロジャーという人物に深みが出ていたように思います

 

ユナクさんがどういうキャラなのか分かんないから

ファンからしたら良いのか分かんないんだけど

私が凄く「おお!」って思ったのは

【La Vie Boheme】(だったと思う)で

机の上に四つん這いになって

前と後ろからヤられてる(お察しください)風な振り付けがありました

ここでも「仲間と一緒にやんちゃして下品なこともしちゃう」

ってかんじで、王子様でなく等身大の青年って印象でした

2015年の時はどんな振り付けだったかなぁ

ちょっと記憶に残ってないから

それほど印象に残らない振り付けだったのかも

今回のはかなり強烈に印象に残りました

映像には残らないので

そういうユナクさんを見たい人は必見だと思います

なんか、ほんとに凄かったんだって!!

マークもだけど、今回は性的で直接的な表現が増えてたように思います

 

 

2015年では

カテコで、ユナクさんが何かするたびに

(手を振る、とかちょっと客席の方をみるでけで。喋ったわけではない)

「キャー」と歓声があがってて

ちょっとどうなの、って思ったんだけど

(凄い歓声に他の役者がビックリして倒れそうになる、っておふざけして

それをユナクさんがあわてて引っぱり起こすって事がありました

そこでも凄い歓声が上がってました)

2017年では

そういう事は無く

「お客さんの中にユナクさんのファンが多いんだな」って雰囲気は感じたけど

個別に歓声があがる事は無くて、とてもいいかんじでした

でも、ただの客の自分が感じるくらいだから

きっとユナクさんは自分のファンがどのくらい来てるか分かってると思いました

 


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