観劇アレコレ日記

いわゆる「イケメン舞台」についてのアレコレ。

2018.01.22 ミュージカル 「黒執事」 〜Tango on the Campania〜 豪華客船編 感想

ネタバレに配慮しません

初見で楽しみたい方は閲覧注意

ただ、ストーリーがかなり駆け足で複雑なので

原作、アニメなどで予習をしてから行った方が楽しめるかなとは思いました

ネタバレ回避のスペース

原卓也さん(グレル・サトクリフ役)

たっくんグレルおかえりー!!

もうさ、職人芸だよね

グレルの登場シーン最高

氷山に乗って出てくるんだけど

本当に氷山に乗ってるから

グレルが乗っかって出てくるためだけに作られた氷山のセット最高かよ

出て来ただけで客席から「きゃー」って歓声があがる(気がする)

それがたっくんグレルだよ!!!

もうね、グレルが出てきたらひとまず30秒ぐらい時間欲しい

そんで「グレルー!」「キャーー!」とか叫ばせて欲しい

出来ないから心の中で叫んだけどさ

 

たっくんのグレルは「たっくんがグレル」なの

日本語がおかしいけど、たっくんはグレルで

演技とかそういうの超越した生命体がたっくんグレルなんだと思います

死神だから生命体じゃないのかもしれないけどさ

とにかく本当に最高

たっくんが演じるグレルが出てるだけで

舞台の格が2つぐらい上がると思います

1作品出演が無かっただけだけど

グレルが出なくて本当にさびしかった

今作はグレルがでてとても嬉しかったです

 

演技は相変わらず突き抜けてて最高

ノックスとのやり取りもとてもコミカルで素敵

 

たっくんグレルはなにが最高かって、全てが最高なんだけど

主演技じゃない所でもずっとグレルな所

例えば、カテコで出てくるときもグレル

22日の千秋楽では去り際に客席に向かって手でハートを作って

投げキッスとウインクするっていう大技で

客席から大歓声があがってました

 

あと、演技プランがむっちゃ細かい

ちょっとした体重移動も腰からいってて

くねくねしてるの

そして、デスサイズの扱いも細かい

電ノコの電源が入ってる時はブルブルしてるし

殺陣が美しい

声のトーンからセリフの抑揚まで完全にグレル

 

そして今回は、アンダーテイカーに

「君も人間の魂を引きずってるね」(意訳)

って言われてマダムレッドの事を指摘された時の

一瞬だけ影のある表情が

最高にグッときた

 

役を極めてて連投すると

他の役者の成長度合いとか

キャスト変更とかそういう兼ね合いで

へんな安定感が出てしまったり

こなれ感が出てしまう事ってあると思うんだけど

たっくんグレルはいつもトップギア

いつ見ても新鮮で

見るたびに新しい驚きがある

初演からかなりの完成度で役を作ってきてたのに

何作重ねても新しいおどろきがあるって

ほんとにすごいし、努力してるんだろうなって感じます

たっくんがグレルを演じてくれて本当に良かったなと思います

 

 

佐々木喜英さん(ドルイット子爵役)

ヒデイットもお帰りなさい!

レギュラーキャストが出てくると本当に嬉しい

キャスト変わらずに戻ってこれる奇跡

神様、やな先生、大人の人達、ありがとう

 

ドルイット子爵様は原作でも意味も無く出てくるのだけど

今作も意味も無く(あるけど)出てきて笑いをかっさらっていく

最高の役です

 

今回は原作通り黒白の地味な衣装ではあったけど

原作に無い(と思われる)スパンコールと模様がギラギラしてて

忍んでてもオーラぱなかったっす

 

1幕ではサラッと出てきて物足りなーって思ってたら

2幕からのヒデイット劇場最高

アウローラ帝国建国の儀式ダンス最高に笑った

グレルとはまた違ったベクトルでの突き抜け方

こんなの演じてて最高に面白いよなって思う

ヒデ様も最高に楽しそう

ひで様って中の人はわりと地味な雰囲気で声も低いのに

どうして舞台上であんなにオーラ出るんだろう

最高の役者さんだと思います

 

最後、エンディングの歌の時

さらっと上手2階セットに登場してて笑う

生きとったんかい!ってなる

そして優雅にダンスとお歌を披露

ドルイット子爵もずっとひで様が演じてくれると良いなと思います

 

 

味方良介さん(ロナルド・ノックス役)

お久しぶりの味方さん

悪くなかったけど、味方だね?って印象

なんかね、ロナルドって超チャラいんだけど

チャラさが足りんというか

カテコで出てくるとき大体みんな役のまま出てくるんだけど

味方だけ味方だった

中の人の真面目さがにじみ出てた

ロナルドだったら、ウィンクとか「チョリーッス!」のポーズとか

そういうの出来そうなんだけど

深々とお辞儀してて

「あ、味方パイセンお疲れ様です」ってなった

 

あと、歌が上手いのは良いんだけど

発音がミュージカル発音で滑舌もよくセリフが聞きとりやすくて

それは良いんだけど、なんかロナルドじゃない!ってなった

ロナルドがそんないい発音で話さない!って

「か」とか「な」とか舞台発音ってあるじゃん

「か」だと前にちっちゃい「k」が入って

文字で表現するの難しいけど「(っく)か」みたいに発音するの(伝われ)

語尾はチャラさをふんだんに使ってたし

セリフ回しは軽いかんじでとても良かったんだけど

所々で出てくる「舞台発音が憎い・・・」って複雑な気分になりました

私の中では井出卓也さんのチャラさが至高なんだけどなぁ~

味方ロナルドの評判は上々なので、私の好みの問題と思う

あと、中の人を知ってるから「なんか違う」ってなるのかもしれない

ビジュアルは凄くロナルドに寄せてきてたので

メイクさん凄い!!ってなりました

 

歌い方は中の人と違って結構変えてきてて

ロナルドらしいチャラついた歌い方だった

特に音の終わりにアイドルっぽい半音上げみたいの入れてきてたし

 

あと、グレルとタイタニックごっこを強要される時の

目が死んでるかんじが最高に面白かったです

あそこ、アップで見たいなぁ~!

 

殺陣は体が動くので

草刈り機型のデスサイズをブンブン振り回してて凄かった

味方くんだから出来る殺陣なんだろうなって思った

味方くん、たっくん、ゆんが体が動くので、

和泉さんとの三つ巴殺陣が映えてたと思います

 チャラさがわりと古いタイプのチャラさなので

「ありよりのありでバイブス上がってマジ卍」ぐらい言ってくれないかな〜

と思ったり思わなかったり

 

河合龍之介さん(リアン・ストーカー役)

登場時のインパクト最高

河合さんをリアン役にキャスティングした人最高

こんな演技プランで大丈夫か?ってなったけど

面白すぎたから良いでしょう

黒執事の悪役っていつも本当に胸糞悪くなる悪なので

リアン位、性格の良い悪役(じゃないけど)は面白くてちょうどいいと思います

最後、死んでいく所の表現は笑った

これも「そんな演出で大丈夫?」ってなったけど

面白かったから良いでしょう

豪華客船編全編に言える事だけど

皆キャラが立っててとても魅力的なキャラクターばっかりでなので

豪華客船編は人気があるんだと思います

 

 

岡崎百々子さん(エリザベス・ミッドフォード役)

超!リジーだった!

中の人調べたら14歳なの!!

演技力ヤバかったんですけど

てっきり20代ベテランが演じてると思ってた!

演技の包容力凄いの

バブみあるっていうか、安定感抜群だった

ゲネプロ映像で見た時、もう少しキャピ感が欲しいなって思ってたんですけど

舞台上では完全にキャピキャピで役作り込んできてて

リアルリジーでした

からの、吹っ切れた時のダークさがスゴイ良かったです

これで14歳って末恐ろしい才能だぜ・・・

歌もめちゃくちゃ上手かったし

殺陣はダンスみたいで剣舞ってかんじだったけど

それはそれで美しかった

 

衣装もスゴイ素敵で、靴がよく見える丈のドレスと

後ろにリボンが付いた可愛い靴

シエルとの身長差も凄く良くって

ビジュアルも最高でした

 

 

内川蓮生さん(シエル・ファントムハイブ役)

連投の蓮生くん!

歌上手くなってた!

坊ちゃんみ溢れてたよ~

初演時の初々しさが落ち着いて、いいかんじの少年っぽさを残し

舞台映えもするという最高の出来上がり

あと、歌がね、とってもうまくなってた!

なんだか坊ちゃんがしっかりしすぎて

馴染みすぎてて逆にあまり感想がないという

セバスとの初期のドタバタと

鬼畜坊ちゃんはとても良かったです

 

凄く良かったので、役の性質上、これで卒業かなと思うと

とても残念です

 

カテコ

大阪千秋楽ということもあり、4回のカテコで最後はスタンディング

2回目か3回目の時にゆんからお言葉あり

「連日満員のお客様に来ていただき本当に感謝です」的な内容

(連日満席になるのは普通にある事ではないので

応援して頂いてる皆さんに感謝

まだ愛知、金沢と続くので

これからも応援おねがいします、力を貸してください、的な内容だった気がする)

「キャストから言葉をもらう」との発言があり

「大阪千秋楽なので、ぼっちゃん!」と蓮生くんに決定

蓮生くんは「えー!」と言っていたが同じように

「見に来ていただいてありがとうございます」としっかりしたご挨拶で

そのあと「次は金沢に出航します!」って言ってんだけど

みんなに「え?次は愛知ね!愛知!」ってツッコまれてたのが可愛かった

和泉さんがいつものノリでツッコミまくってたのが最高でした

そして蓮生くんが

「次の愛知はどうですかね!俊さん?」って髙木さんにいきなり話を振って

「え?え?俺?」と慌てる髙木さん

ゆんが「いつそんな技覚えたのー、しっかりしちゃって」て笑ってました

(自分がコメントで失敗したのを他の人にいきなり話を振ってごまかす

という大技を身に付けてて、舞台度胸が付いて成長したなぁ!

というようなニュアンス)

 

黒執事でのゆんは、いつもストイックというか真面目な印象だったので

他のキャストとわちゃわちゃしてるのが本当に本当に可愛くて

カンパニーの雰囲気が良いのかなって凄く気分良かったです

 

 

セットについて

凄く工夫された船のセットや

グレルの為だけに作られた氷山とか

黒執事におなじみのプロジェクションマッピングとか

いつもながらの黒執事クオリティでした

ただ、ひとつ「お、おう・・・」ってなったのは

最後、船が沈没するシーンがプレジェクションマッピングだったんだけど

「お金と時間が無かったんかな?」って位の残念な出来栄えで

エクセルで作ったんかなー位の作画クオリティでした

他のセットや小物がクオリティ高いのでそこだけちょっと落ちるというか

もう、役者の演技と音だけで表現してもいいんじゃない?ってなりました

 

あと、ゾンビのシーン

ゾンビがいっぱい出てくるんだけど

アンサンブルの人数が足りないから

ゾンビ人形で数増やしてるのね

人形だから、人形なの(伝われ

あ、人形だなって思うの

遠くから見たらゾンビに見えなくもない気がするけど

人形なの(伝われ

 

あと、ゾンビが海の中から出てくるシーン

海が大きな一枚布で表現されてて

布に所々切れ目が入ってて

布の切れ目の下からゾンビ役のアンサンブルが出てきて

海から顔を出すゾンビを表現してるんだけど

「あー、布の中からゾンビがこんにちはだわ~」

って一瞬現実に引き戻されてしまうの

 

舞台的な表現だから、それはそれで良いんだけど

他の装置がクオリティ高いので

そこだけ物凄い古典的な表現方法を使ってて

ギャップにやられるっていうか

客の想像力を必要とする舞台だなってちょっと思いました

 

ダンスについて

MIKIKO先生のような印象的な振り付けはやはりないものの

死神のビョーンの振りをが復活してたり

カクカクしたヒットのようなダンスを取り入れてたり

過去作品を彷彿とさせる振りが入っててとても良かった

全体的にストリートっぽい振りだなって思いました

あと、群舞の時のフォーメーションがとても綺麗

主役を物凄く引き立てる振り付けになってて素敵でした

色々工夫されてたので2階席以上で見たら

もっとダンスを堪能できると思います

あとは、巷で噂の「パラパラダンス」

私は、手話かな?って思ったけど

パラパラと言えばそうかもしれない

手の振り付けはとても面白かったです

その分、ステップはそれほど印象に残るものは無かったかなと思う

しかし、サーカス編よりもダンスが進化して

雰囲気が良くなってたと思います

 

演出について

めまぐるしく変わるシーンを上手く表現してるなと感じました

前もってストーリーを知っていたのもあるけど

色んな場所が出てくるのを、流れも止めずにスムーズに場面転換されてました

また、プロジェクションマッピングも上手く取り入れられてた

ラストの船が沈むところのCGだけはいかがなものかと思ったけど

他はとても綺麗でした

あと、生贄儀式のシーンで大きな赤い幕が劇場を駆け巡るやつ

あれはびっくりした

ゾンビ人形と布の海は古典表現すぎてギャップがあったかなと思う

舞台の手法としてはアリなのだけど

他のハイテク演出との差が激しくて「え、そこだけ学芸会クオリティ?」

ってなっちゃった

あとは、沈没する傾いた船の表現ね

シエルとセバスが横向きになって横倒しの船内を表現してたわりに

死神たちはそのまま立ってるし

リアンが台車に乗ってすべっていくのはさすがに笑った

あそこは表現するのが難しいから

もう皆そのまま立っとけばいいのになと思ったけど

こだわりの演出なのかもしれん

 

演出については 

舞台で見た時は引っかかる演出もあったけど

映像になるときっともっと見やすくなるのではないかと思っています