観劇アレコレ日記

いわゆる「イケメン舞台」についてのアレコレ。

2015.03.28 舞台弱虫ペダル ペダステ インターハイ篇 The WINNER  ソワレ(マイクトラブル回)レポ

※他所に散在していたものを転記し加筆

この回は、開始直後にマイクのトラブルが発生し、22人のキャストに対して6本のマイクとフットマイクのみで上演されました。

会場は福岡キャナルシティ。1100人以上のキャパで生声で1公演演じ切った様子を書き残したいと思います。(自分の席は2階4列目でした)

 

 

開始30分くらい、待宮の回想シーンで大きいハウリングの音の後、ブチッと音を立てて待宮役の山本さんのマイクが途切れる。

上手袖にはけていた荒北役の拡樹が飛び出してきて待宮と並走して自分のマイクで声を拾わせようとする。しかし拡樹くんのマイクも死亡。

南キャプテンが自分のマイクを外し山さんの下から手を差し出し、声を拾おうとするが、南さんのマイクも死亡。二人の行動の中、切れたマイクで冷静に最後までシーンを演じ切った山さんもさすがだった。

どうやらその場にいるキャスト全員のマイクがダメになったらしいと観客(私も)が気付き始める中、それでも生声で進んでいくシーン。

荒北が1年生ズを引っぱる辺りからフットマイクの音量が上がる。セリフと共に足踏みの音が響いてすごい臨場感。ただ、良大くんのマイクだけは生きているようだった。

(マイクの感度が良いので、生きているマイクの側にいる人の声はスピーカーに乗る。)

キャストのマイクがほとんどダメになったのを察知した瞬間、客席は今までにない静けさと集中力が広がったように感じた。トラブルに気付きながらも、ざわつく事は無く、全てのお客さんが息を殺して観ていた。(少なくても自分の周りは)

 

総北箱学全員が出るシーンで、箱学全員のマイクが入ってない事を再認識。しかし、箱学はフットマイクと生声で歌い切り、それに合わせて総北のマイク音量も下がる。良大くんの歌い出しだけはマイクが入り、後はBGMの音量も最少まで下がり、全員ほぼ生歌だったと思う。

えーじさんがセリフを言う時には、直也さんがさりげなく隣で並走。自分のマイクで声を拾わせていた。この辺りまで、どのマイクがダメでどのマイクが生きてるのかスタッフ・キャストも把握してなかったと思う。

(後の植ちゃんアメスタで、マイクが一度全滅し総北のマイクが6本だけ復活したこと、シーンとセリフ量を判断し、マイクを付け替えた、と話してました)

 

 

田所・新開のスプリントシーン。田所役の友常くんのマイクは大丈夫だったので、二人で競り合うところは秋人くんの声も拾えてた。

田所が一旦後ろに下がって、新開が中央で他のチームメイトに言葉をかけるんだけど、その時に秋人くんが「田所迅!!あがってこい!!」って叫んで、友常くんを呼び寄せてた。

これはアドリブだったんだけど、シーンにすごく合ったセリフで違和感なかったし、友常くんのマイクで拾って欲しいってメッセージをセリフに乗せのはすごかった。

(シーン的には「あがってこい」=「俺と勝負しろ」的な煽ってる意味

マイクトラブル的な意味では「あがってこい」=「そばに来てマイクで音拾って」)
あの瞬間でこのセリフを考えて言える秋人くんの判断力に感服。それにすぐ反応して並走する友常くんもすごかった。

田所は前のシーンで鬼漕ぎしてるから本来は休むところ。それを秋人君の横で一緒に漕いだので、スロープから降りるときにはホントにヘロヘロで、直也さんの肩につかまってた。

直也さんも、友常くんをがっしり掴んでて、それは田所・金城であり、友常くん・直也さんであって、役と現実が一緒になる瞬間のようでもあった。

※加筆

DVDにこのシーンが収録されてます。

しゅーとくん「最悪、勇気くんに隣りに来てもらって・・・」

植ちゃん「あーーそうだね」

きっと袖にはけてる時に、どうしたら最善の舞台が出来るか、考えまくってたんだな

と思います。

 

 

たー(河原田巧也)が落ちるシーンでは、たーマイクは死亡。たーは「フットマイクでいこう」と判断したようで、客席に背を向ける時にも顔だけ横を向いてセリフを言っていた(ように感じた。※このへんは私の主観。指示があったのかもしれない)

 

鳴子劇場。総北のマイクは全部無事だったのでストレスなく進む。しかし、モブは完全に生声。泉田ファンと東堂ファンはフットマイクからも離れていたので辛そうだった。唯一生声で聞き取りにくかったのはここかな(2階4列目で観劇)

 

東巻のリザルトシーン。東堂役のきたむーマイクは入っていたようないないような?御堂筋君役のみつぅ(村田充)マイクはしっかり入ってた。この辺りから、生きてるマイクとダメなマイクが分かったようで、セリフ量が多い人のマイクはちゃんと聞こえるようになってた。(キャストのマイクを付け替えたようです)

 

今泉・御堂筋、今泉・福富シーン頃からはマイクトラブルが気にならない位には聞こえるように。(今泉と御堂筋のマイクは入っていたが福富マイクは死んでた)しかし、全員分はマイクが無いようで、群唱・合唱になると生きてるマイクの音量を下げて、生声で聞かせる方向にチェンジ。

客席もトラブルに慣れたのか、それほど緊張感なく観劇できるように。

 

結局、最後まで全てのマイクが直ることはなく、22人のキャストに対して6本のマイク。6本のマイクとフットマイクだけで1公演やった。

 

カテコで良大くんがマイクトラブルがあった事を伝える。「聞き取りづらいセリフがあり、お客様に迷惑をかけてしまった。舞台は生もので、途中でストップしてしまうこともある。切れた一本の糸を繋ぐという言葉が原作にもあるのですが、本当にそのような1公演だった」(意訳

「スタッフ・キャスト全員120%の力を出して公演を乗り切った。最後まで観劇してくれたお客様ありがとう」(意訳)というような事を述べる。公演を中止しなくてはいけないほどのトラブルだったのかと再認識。

時々声を詰まらせながら話す良大君と、横で涙ぐむ植ちゃん。「それでもヒメヒメは元気に行きますよー!!」の後のダンスはみんな楽しそうだった。

 

ダブルでスタオベ。

(千秋楽ではないし、他の回ではキャストの体力にも配慮しカテコが短く、スタオベは無かったので、観客の強い意志があった)

再登場し、それを見て極まった感じの良大くんと植ちゃん。二人で顔を見合わせながら、うんうんとうなずき、涙ぐんでいた。

他のメンバーを呼び込むと、総北勢がBGMにのって、バンドの真似をしながら登場。もっくんはドラム(かキーボード)で直也さんはボーカル(他は失念)

良大君「それを見て涙が引っ込みました!」

ロックバンドのボーカルらしい直也さん。盛り上がる客席。「ライブじゃないからね、っていってるのにほんまにライブ出来るとは思わなかったわw」(意訳)

 

 

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以下個人の感想

 

箱学、京伏、ライダーのマイクが全部ダメになって、残された総北のマイクとフットマイクのみで1公演やった。凄かった。カンパニーの底力感じた。

自分のマイクで声を拾わせようとする人、瞬時にセリフ変える人、フットマイクに向かって言う人、生声に切り替える人、そして小さくなったBGM 。皆の判断が凄かった

トラブル対応の行動は、拡樹くんと秋人くんがクローズアップされがちだけど、箱学は真波以外全員生声だったし、トラブルが起きたばかりの混乱の中、冷静にシーンを演じたみやいびコンビ(山さんと松本君)凄かった。

石さん(松村くん)は、マイク入ってないの気付かない位よく通る声だった。

マイクが死んだ直後にスッと小さくなったBGMも、大きくなったフットマイクの音量も、音声GJ だし、あの辺はまだスタッフ同士意志疎通出来ぬまま無言の助け合いみたいだった。

マイクトラブルから少し時間が経つと、生きてるマイクをセリフ多いキャストに付け替えて、他のキャストと郡唱はフットマイクと生声、って方針決めたらしくスムーズだった。

自分のマイクで声拾わせてたキャストは、そのシーンに居ても不自然でないキャラかどうか判断した上で来てたと思う。

マイクが死んだキャストは全く動揺してないように感じたし、キャストもみんな凄かった。

後の植ちゃんのアメスタによると、途中で6本の生きたマイクを使いまわし、セリフ量や出番の多いキャストへ付け替えたそう。

(この話をする時、涙ぐみながら丁寧に言葉を選んで話してたのが印象的でした

 思い出すだけで、胸が熱くなるような出来事だったんだと思う)

しかし、舞台の性質上、簡単にマイクを外せる訳はなく「あの人はここで何秒ハケるから、こっちの人に付け替えられる」というギリギリの判断を全てのスタッフ・キャストが協力して行ったそうです。

マイクの付け替えは簡単に出来るものではなくて、しかも初めての事を奇跡みたいなタイミングでやった、と話していました。

最終的にマイクを付けていたのは「良大君・もっくん・ちゃんとも・みつぅ・植ちゃん」

途中で鳥ちゃんと直也さんのマイク(最後、この二人は生声だった)を、みつぅと植ちゃんに渡したようでした。

 

客席。マイクトラブルがあっても、私のまわりは誰もザワザワしなかった。マイクが切れてBGM が小さくなって、山さんの生声とヒロキの足音だけがシーンとした劇場に響き渡ってた。あんなに劇場の静けさを感じたのは初めてだった。

 

印象的だったのは英治さん。「マイクが入らない?よし、分かった。必要ない」みたいな潔さだった。(※主観

私の勝手な解釈なんだけど、えーじさんはマイクがダメになったと判断した時「生声でやろう」って切り替えたと思うんだよね。上向いてセリフ言ってたし、声量すごく上がったから。他の公演では、自転車を漕いでるので、基本は顔を伏せがちにしてセリフを言ってたので。

他のキャストはフットマイクに向かって言ったり、生きてるマイクの人が寄り添ったりして、声を拾わせる努力をしていた(ように感じた)のに対し、英治さんはきっぱり諦めたようで、2階方向に向かってセリフを発していた。

そして、自分の席(2階4列目)にもよく届いていた。

あと、もっくん(太田基裕くん)の安定感。シーン的にマイクトラブルには巻き込まれなかったんだけど、全く何事もなかったかのようなブレない演技でめちゃくちゃ落ち着いてた。あの安心感プライスレス。

 

キャスト、スタッフ、客席、全てがペダルを愛していたから、最後まで出来た公演だったんじゃないかなと、思いました。

息を殺して最後まで一緒に見た、すべての観客にも感謝。