観劇アレコレ日記

いわゆる「イケメン舞台」についてのアレコレ。

2015年10月25日大阪 極上文学「高瀬舟・山椒大夫」マチネ ルッキュ 感想①

喜助・山椒大夫・・・村田充さん

庄兵衛・次郎・・・藤原祐規さん

厨子王・弟・・・椎名鯛造さん

安寿・・・服部翼さん

林太郎・・・天宮良さん

 

 

 

ふっきーが良かった!!

鯛ちゃんも良かった!!!
そこにみつぅが絡んで、上質な大人の舞台というかんじ
落ち着いているけど、舞台ならではの演出や生演奏と
役者の演技がダイレクトに伝わるようなエネルギーがあって
映像で見てもすごく情熱的
極上文學の独特で耽美な世界観がいぶし銀のようでした
あーー生で見たかったなー
 
 
藤原祐規さん
めちゃくちゃ良かった!!
ふっきーは喜助・次郎・山岡太夫の三役演じるんだけど
三役とも全く違った雰囲気でした
山岡太夫は、出てきてしばらくは
ふっきーだと気付かなかったほど
(映像がボケてるから顔がよく見えない)
さすが声優!ってだけあって
声変えてるんだけど、変に作ってなくて自然なかんじ
自然なのに、三役とも声が全然違う
 
個人的には次郎が一番良かったです
密かに安寿に恋してるから
いつも憂いある表情で安寿を見てる
安寿の髪を切る時にはエロスを感じたね!
ふっきーってコミカルな演技が得意というか
ちょっと外した演技が特徴だと思ってたんだけど
こんな王道の演技出来るんだ!!と新たな魅力発見でした
 
役が無くて朗読だけのパートでは
通る声で滑舌も良いしとっても聞きやすい
感情爆発してるけど、制御されてるかんじ
ここまでの経験と培ってきた技術がとてもバランスよく
抑えた演技の中にも、情熱が滾ってるというか
前半の落ち着いた庄兵衛から、ラストに自分の感情と葛藤するとことか
その後雪をみて「あーーー綺麗だな」という一言とか
上手く表現できないんだけど、大人の魅力っていうのかな
 極上文學の世界観を作る重要な役割を担っていると感じました
 
 
 
 
椎名鯛造さん
鯛ちゃんもすっごおおく良かったです!
鯛ちゃんは声が明るいので、
鯛ちゃんが話しだすと舞台にも明るい印象が広がります
弟役の時は、お兄ちゃんを慕う愛らしさと一途なかんじが
素晴らしかったです
貧しいけれど仲の良い幸せな兄弟がハタを織る状況が
影絵のシルエットのみで表現されるんだけど
鯛ちゃんとみつぅがスゴイの!
楽しく笑いながら過ごしてるのが、シルエットだけなのに凄く伝わってくる
そこから、鯛ちゃんが病気して、お兄ちゃんに看病してもらう所までが
ほんの数秒のシーンで、セリフも無い、影のシルエットだけなのに
とても印象に残りました
鯛ちゃん演じる弟が、本当にお兄ちゃんが大好きで
一緒にいる時は幸せそうでした
最後、みつぅ(お兄さん)が流される船の中で
そっと寄り添う表情は、幸せそうで、でも悲しくて
なんとも言えない素晴らしいシーンだったと思います
 
 
村田充さん
みつぅも良かった!!!
わりと正統派な前二人の演技に
みつぅの独特なクセのある演技が絡んで、更に上質な舞台になってたと思います
みつぅは兄と山椒大夫の二役演じるんだけど
山椒大夫が好きだったなー
無慈悲で荒くれ者の表現とか
台本を杯に見立ててお酒を飲む演技が好きでした
ドスの効いた低い声が良かったです
お兄さんと山椒大夫の演じ分けの為か
結構声を変えていて、そこはちょっと作りこんでるなーって印象
山椒大夫の時は作ってるけど自然でした
兄は、弟を想うピュアな感じを出すためか
弟を失った虚無感を出すためか
若干棒読みっぽい、浮世離れした演技をしていて
少し不自然な印象だったかな
その演技が最後のシーンでとても活きてくるんだけど
なぜか少し違和感を感じました
テクニックを使ってる、ってかんじがするのかも
最後に感情が爆発するところを、より効果的に演出するためだったのかなぁ
ラストシーンは圧巻でした
感情が爆発してからの、兄が泣く演技からの、静かに朗読役に戻る
この一連の演技が本当に凄かった!!!
ラストシーンのみつぅは最高に良かったです
鯛ちゃん弟と、みつぅ兄では体格差が絵になってそれだけで美しい
お互いがお互いを、想いあってる演技が組み合って
さらに美しかったです
極上文學らしい、耽美な雰囲気でした
それが次のシーンでは
盗賊(みつぅ)とさらわれてきた奴隷(鯛ちゃん)になるんだから
役者さんてスゴイなと単純に感動しました
 
 
小道具など
舞台の小道具やセットの使い方がとても面白い
天井からたくさんの文字が
ヒモでぶらさがってるんだけど
「舟」という文字(大きめのクッション位の大きさ)を舟に見立てて使うとか
真っ赤な紙吹雪と紅葉の葉を血に見立てるとか
舞台ならではの演出が工夫されてました
セットは中央に船と格子戸が一緒になったような装置があり
それが影絵のスクリーンになったり、船になったり、小屋になったり、牢屋になったり
とても舞台らしい効果的な使われ方をしていました
シンプルで洗練された舞台セットで
照明も控え目だけど効果的
音響もほとんどがピアノの生演奏
極上文學はこういう使い方がとても凝っていて
いつも素敵だし、世界観を出すのに効果的に使用されていると思います
 
 
 
 
 
 
 赤間コーナー
※極上文學の名物で日替わりのアドリブコーナー
【お題】「ぐ」から始まる苦手なもの
 
コーナーが始まると、
安寿役の服部君が鯛ちゃんに向かって「頑張りなさい!私はみているわ」
ふっきー「全員参加です!!!!」
みつぅ「ふざけんなよ」
服部君「すいません、すいませんでした」
鯛ちゃん「褒美だよ!褒美がもらえるんだよ!」
と一気に和やかなムードに
 「♪【ぐ】から始まる苦手なモノは?♪」と掛け声で一言を披露
 
発表順に
 ふっきー「グイッグイくる大阪のタクシーの運転手!」
「大阪で、オススメのたこ焼き屋さんがあるということで
「ここに行って下さい」っていったんですけど
結局着いたのが「タクシーの運転手さんのオススメのたこ焼き屋」だったんです
あーいうの苦手です!
一部の運転手さんだと思うんですけどね。」
天宮さん「最近じゃ、ドアの上に頭ぶつけないように手でガードしてくれる
運転手さんもいるじゃないですか」
ふっきー「あー・・・」
みつぅ「MKタクシー―!!!!!」
 
赤間さん「では次!!!」
 服部君の番だが、後ろに下がって隣の鯛ちゃんを促す
赤間さん「なんで飛ばした!!ピンクの着物着てる君!」服部君を指差す
いやいやながら前に出てくる服部君
いきなり女の子のふりをして
女「ねぇねぇ、私のどこが好き?」
男「うーんそうだな」
くるっと反対を向いて一人二役の芝居を始める
さっきまでの嫌そうな雰囲気からの吹っ切れた演技と
いきなり一人芝居を始めたのに対し、キャストと客席からどよめきw
男「可愛いとこ」
女「ひどーーい!全然具体的じゃなーーい」
(ブリブリして、物凄くめんどくさそうな女子)
女「私は具体的に言えるよ、良くんの好きなとこ」
言いながら林太郎役の天宮良さんの方を向く
女「最初はどうやって話しかけようかと思ってたんだけど、話してみたらすっごく優しいし、さっき楽屋裏で美味しいチーズケーキくれたしぃ~」
素に戻って「・・・って好きな所具体的に聞いてくる女!!!」
キャスト一同「それ【す】じゃん!!!」
服部君「具体的に好きなとこを聞いてくる女!!!」
 
 
赤間さん「よし、次!!!」
本来は鯛ちゃんの番だが、手を上げながら前に出てくるみつぅ
鯛ちゃん「ずるいー絶対ずるいよーー1回ぐらい最後やってよー」
みつぅの袖を引っぱりながら抗議
(どうやらみんな最後になるのは嫌な様子)
キャスト、会場笑い
鯛ちゃんが後ろに押すので
仕方なく後ろに下がるみつぅ
鯛ちゃん「愚痴を聞くためだけの飲み会!!」
「聞くだけで自分は言えないの!あーーそうですよねーとか言いながら、「あーもう始発出てんな~」と」(時計を見るふりしながら)
 天宮さん「あーーありますね、先輩とかね」
 
赤間さん「では、はい!」みつぅを指して
手を上げながらふわっと出てくるみつぅ
赤間さん「キミは何番目に出てきても一緒だなw」
みつぅ「グリコの看板がぁ~電球からLEDに変わったこと
LEDは省エネで良いと思うんですけど、僕は電球が趣があって良いと想います」
天宮さん「僕もね、昨日その辺を通ったんだけど、まぶしすぎて、電球の方が趣があって良いね」
 
優勝は「安寿」でした
 
 
 
キャストについて
マルチキャストで、組み合わせによって違う雰囲気の舞台が見られる
のが極上文學の魅力です
今回「藤原・村田・椎名」この組み合わせが最高だったんじゃないかなと思います
演技のベクトルが似てるし、パワーバランスというかキャリアというか
実力が均衡してるというか、
全員同じ位のエネルギーで、お互いの演技を受け止めて返せる
相乗効果で奇跡みたいな瞬間があったように感じました