観劇アレコレ日記

いわゆる「イケメン舞台」についてのアレコレ。

2017.09.05 ミュージカル しゃばけ 弐 ~空のビードロ・畳紙 マチネ ニコ生 感想

この作品のレポを書くか、しばらく悩んでいました

9/15に佐助役の滝川英治さんがドラマの撮影中に事故にあい

脊髄損傷と診断されました

ほんのちょっと前まで、このしゃばけの舞台で元気いっぱいに演じてたのに・・・

って思うと色々複雑すぎて

 

超ハードで有名なペダルの公演中、休演日はストレス解消でジムに行く位

筋肉バカのえーじさんが脊髄損傷って・・・

事故に思った以上にショックを受けてる自分がいました

特別に推しというわけではなかったのですが

キャストにえーじさんの名前があると

「何をしてくれるんだろう?」ってワクワクする

そんな役者さんで

ペダルのインターハイ篇でマイクトラブルがあった時の姿が

物凄く印象的でした

まっすぐ上を見てマイクを完全に無視してセリフを言った

凛とした姿を思い出します

2015.03.28 舞台弱虫ペダル ペダステ インターハイ篇 The WINNER ソワレ(マイクトラブル回)レポ

 

他の情報が出ず何も分からないので不安が募りますが

一日も早い回復を祈っています

 

 

滝川英治さん(佐助 役)

やはり一番に書かずにはいられない

えーじさんの最新の舞台ですので

佐助は舞台にとてもいいスパイスになっていました

初演のレギュラー陣が佐助・屏風のぞき・守狐の三人しか出てなくて

その三人が

初演からの安定感、作品の基礎や枠組み、しゃばけしゃばけらしさ

そんな所を担っているかんじです

「屏風のぞき」のふっきーは今回W座長の一人で

演技部分も凄く負担があったので

えーじさんが舞台の余裕の部分というか

作品の底上げにすごく貢献してたと思います

守狐は、舞台ではレギュラーの一人だけど

原作ではそれほど重要な役ではなくて

舞台のオリジナルキャストっぽい位置づけなので

原作でも主要キャラクターの佐助が出演することで

しゃばけ」の世界観をしっかり出してたと思います

 

今回のストーリーは長崎屋から離れて

スピンアウトというかんじで

長崎屋を佐助と守狐がしっかり表現して

基地みたいになってます

そこを屏風のぞきがあっちこっち行ったり来たりしてます

あと、2つある別々なストーリーを「長崎屋」がくっつけてる

作品の枠組みとか骨組みの部分がえーじさんと福井くん(守り狐)でした

 

演技に関しては

えーじさん全開!!ってかんじ

初演でも大はしゃぎしてましたが

今回はストーリーに絡んでくることはほとんど無かったので

好き放題やってる印象

ただのえーじさん

楽しそうでなにより

ストーリーが真面目というか

悩みの解決、という心の機微を描く内容なので

遊びの少ないところに

めっちゃくちゃ斬りこんでいってました

えーじさんが出てくるととにかく大爆笑

客が「〇〇スキー」というモブあやかし、という体でキャストが絡むところがあって

(誰推しで見に来てるのか、と聞く)

勝手に「滝川スキー軍団」を決めてました

みんな滝川スキーだよ!!早く戻って来てね

 

 

藤原祐規さん (屏風のぞき 役)

今回はW座長、ふっきー

(だと思うんだけど。カテコでご挨拶してたのふっきーだし

クレジットでは良くんが単独座長っぽい)

ふっきーの芸達者ぶり炸裂!!

安定感抜群!!

屏風のぞきは大好きなキャラクターです

原作では脇役の位置づけだけど、舞台ではメインキャスト

「畳紙」は屏風のぞきが中心になるとてもホッコリする話

ふっきーの演技でさらに、とてもいい雰囲気になってます

屏風のぞきは原作ではもう少しとんがっててわがままでスカしたキャラで

あやかしらしく、人とはちょっと違う感覚の持ち主なんだけど

舞台の屏風のぞきはとってもキュートなキャラクターです

人情味あふれてて暖かで、ツンデレ

ふっきーの中の人の人柄がにじみ出てると思います

 

あと、歌は頑張れ(笑)ってかんじでした

歌が下手ではないけど

ミュージカル役者ではないので

ガチミュージカル俳優と一緒に歌うと

やはり、むーん・・・ってかんじ

とても難しい歌が割り当てられてる気もしたし

それだけ実力買われてるんだと思うけど

2.5次元の俳優とガチミュージカル俳優では越えられない壁があるようだ

 

今作は、キャストの調整が難しかったようで

主人公「一太郎」役の植ちゃんが居なくて影武者を立てたり

アンサンブルが一人で何役もやっていたり

舞台として無理な作りになってた所があり

不自然な印象があったんだけど

ふっきーはじめ、芸達者な役者さん達がその辺を埋めてました

 

平野良さん (松之助 役)

歌、どうしちゃったのおおおお???

歌い方めっちゃ変わってない?

ミュージカルっぽい歌い方に変わってた

久しぶりに良くんの歌声聞いたんだけど

こんなだったけ?ってなりました

上手くなってたんだけど

なんかちょっと違和感

今、移行中なのかもしれない

良くんの歌声の印象って

地声とあんまり変わらなくて

元々歌の才能に恵まれて上手いので

伸びてキラキラしてて降り注ぐような声量で

俺様の歌を聞け!って自信満々なかんじだと思ってたんだけど

発声方法を変えたからか

整備されて個性が無くなったように感じてしまった

今回の作品に合わせて歌い方を変えていたのかもしれないな 

最遊記の「カミサマ役」で溢れんばかりの美声と

圧倒的な声量だったのがとても印象に残っているので

ドウシタ?ってかんじだった

東宝とか、ミュージカル系の舞台狙ってんのかなぁ?

個人的には前の歌い方好きだったんだけどなぁ

(というか多分訓練する前。今回はかなり基礎から訓練した歌唱方法ってかんじした)

 

 

演技に関しては

良くんが松之助を上手にやってるってかんじで

気弱でお人よしの演技をしっかりやってました

原作ではもう少し儚げで影の薄い印象の松之助だけど

これからレギュラーキャストになってしゃばけシリーズを支えていくと考えると

良くんくらいしっかり者でもいいかもしれない

中の人の事を存じてるから、オーラが松之助ではないなーって思うけど

良くんなら大丈夫でしょう、って安心感はあるよね

 

今回は植ちゃんとの絡みが無かったのが残念だったので

次回作からを期待したいし

期待できるキャラクターだったと思います

 

 

その他所感

 

なんていうか、今回の作品宣伝されなさすぎ!

こんな宣伝でよくあれだけ客集まったと思うわ

HPがまず無いし

(あるのかもしれないけど、グーグル先生の検索に引っかからない)

ニコ生配信があるのも石井ちゃんのブログで知る始末

ニコ生もかなり検索しないとたどり着けなくて

前回の「しゃばけ初演」のリンクが出てくるし

折角作った作品なんだから

もう少し大事にして宣伝してあげて~って思いました

製作費が少なかったのかなぁ?

 

 

だから、初演に比べて小物感があるのは否めない

元々しゃばけ自体が「いぶし銀の佳作」ってかんじなので

益々ちっさくなった感じはしました

主人公の一太郎、メインキャストの仁吉が不在だったのも

大きく影響してると思います

華やかさとか派手さとかそういうのがほとんど無かった

 

それと、キャスト不在の穴を色んな方法で埋めてたんだけど

あまりにも無理があった

一太郎は影武者を立てて声だけ録音

ずっと後ろを向いてて他の役者さんが演じてました

頑張ってるのは分かるけど、違和感しかない

 

脚本もちょっと無理があった

二つのストーリーをやってて、それが全くの別の話

繋がりが無いので、一話(畳紙)が終わったあと

途中で佐助が出てきて「さーて、今の話はいかがでしたか?」的な事を言って

場を繋ぐという

ひとつのまとまった話ではないのでダイナミックさに欠ける

畳紙もいい話だけど

空のビードロをもう少し膨らませて

犯人探しのミステリーにするとか

松之助がダークサイドに堕ちていく過程を

もっとドロッドロにするとか

そういうので一つのストーリーにしても良かったんじゃないかな?

これは、初演の墨壷篇の裏ストーリーなので

役者さえ揃っていれば、そっちも絡めてボリュームのある話に出来たのにな〜と感じる

畳紙も空のビードロも両方サラッとしてて

原作より軽いかんじはしました

 

演出も本当に凄く工夫されているんだけど

足りないピースをなんとかして誤魔化してるのが伝わってきちゃう

いない人を出演させるのはどう考えても無理がある

これからも植ちゃんが一太郎で出演するから他の人をキャスティング出来なかったのでしょう

それを、芸達者な役者の力と演出で埋めてるかんじはありました

役者が全員スキル高かったのは間違いなし!

他のキャストがアンサンブル含め超ポテンシャル高くて歌ウマ!

ミュージカル俳優をキャスティングしてました

殺陣とダンスが無いので

歌の比重が多く、ちゃんとしたミュージカルでした

特に女優陣の歌の上手さハンパナイ

 

あと気に入ったのは平太役の「齋藤健心くん」

やたらと現代っ子で「やばい」が口癖なのも面白かったし

チャラいんだけど心優しくてまっすぐないい子なのも

イキイキしてて可愛かったです

 

石井ちゃんは相変わらず顔芸が面白くて

「意地悪で頭の弱いお兄ちゃん役」のはずなんだけど

なんだか憎めなくて笑いをバンバン取ってました

 

曲はどれも浅井さんワールド全開でほっこりするような

素敵な曲ばかりでした

途中、おひなさんと屏風のぞきが歌う「ダメなのよの歌」(仮

は途中にセリフが入ってて

むっちゃ難しそうだった!

おひなさん役はミュージカル女優のようで

難なく歌いこなしてたけど

ふっきーはかなり苦戦してたような気がしました

 

 

2.5次元とミュージカルの中間のような作品で

どっちに振り切るのかちょっと中途半端なかんじ

お客さんも原作好きが多いのかなと思いました

ミュージカル好きでしゃばけの原作好きの人は楽しめると思います

話がとても綺麗なストーリーなので

ファミリーや疲れた時にオススメの一本です

 

ニコ生リンク↓

「ミュージカル「しゃばけ」弐~空のビードロ・畳紙~」チケット販売ページ - ニコニコ生放送

 

9/5のマチネ(昼公演)は一太郎役の植ちゃんが来てた様子??