観劇アレコレ日記

いわゆる「イケメン舞台」についてのアレコレ。

2016.07.26ソワレ 7.27マチネ 少年社中 「三人どころじゃない吉三」 紀伊国屋ホール ③ あらすじと考察

ネタバレしてますので、閲覧注意!!!

トーリーの核心に触れますので初見で楽しみたい方は

観劇後に読んでください

 

 

 

少年社中 「三人どころじゃない吉三」 ①

少年社中 「三人どころじゃない吉三」 ② 役者

少年社中 「三人どころじゃない吉三」 ④ あらすじ

少年社中 「三人どころじゃない吉三」⑤ 疑問点と考察

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あらすじの前に

この話は、大きく二つの流れで構成されてます

 

ひとつは「複雑に絡み合った人間関係」と「人間関係の間を巡る100両と康申丸」

人間関係のごちゃごちゃした繋がりや

無関係だったと思えた人同士が深く関わっていたことが判明するのが

面白味のひとつです

そしてその間をグルグル巡る100両と康申丸

しかし、これが複雑すぎてむちゃくちゃ分かりにくい

役者の配役も複雑で、役の年齢と逆の配役になってたりする

(親が20代の役者、子供が40代の役者だったり)

そこを理解しようとするととても複雑で分からなくなってしまう

そして、この時代の考えなのか

現代では理解できない義理立てがあったり・・・

しかし、このゴチャっとした人間関係のカオスっぽさがまた

物語のキモなのではないかと思います

 

二つ目は、物語の大きなストーリー展開です

これはとてもシンプル

タイムリープの話です

バッドエンドにならないよう

登場人物が全員ハッピーになるように

お嬢が中心になって、なんども同じ時を繰返す

タイムリープには、複雑な人間関係は全く関係なく

ただ、ハッピーエンドを目指すのです

 

凄くない?この構成

むちゃくちゃ複雑な人間関係が

トーリーに全然関係ないんだよ?

 

それで、それが分かるのが3/4位からなの

それまではずっと複雑な人間関係と

人間関係から起こる不幸の数々が描かれて

ごちゃっとしてるんだけど

ラストの1/4でズバーッと物語が違う方向へ進みだし

ハッピーエンドのラストに加速していくの

 

ほんとに凄い

 

だから、初見と二回目以降では舞台の印象がガラッと変わる

 

初見では、複雑な人間関係に感情とか

脳ミソの理解が持ってかれて

「難しい」とか「ヘビィ」って感想なんだけど

ラストでタイムリープの話って分かると

複雑な人間関係は関係なかった!!

(無いわけではないけど)

理解しなくても良かった!!!

って愕然とします

 

個人の所感としては

複雑な人間関係は、わざと簡単には理解出来ないように作ってるのかなと思います

配役も年齢に合ってないし

そうして、客の頭の中を混乱させておいて

ラストのバッサリ解決に持ってくのかなと

 

複雑な人間関係が明かされていく物語と

単純で分かりやすいストーリー展開

 

2つの大きな

反する流れが存在してて、構成が素晴らしく斬新でした

 

 

 

あらすじ  

 

※記憶違いはご了承を

2回観劇での理解の範囲です

 

ある春の夜

よたかのおとせ(あづみれいかさん)は客が忘れて行った100両を返そうとしていた

客に一目ぼれしてしまい、河のほとりで待っていれば

客が取りに来るんじゃないかと思ってウロウロしていた

そこを通りかかるお嬢吉三

お嬢吉三(拡樹)は女装の泥棒

持っていた100両を盗み

おとせを河へ突き落す

そこへ没落した武家出身のお坊吉三(堀池さん)がやってきて

自分こそが100両必要だ、貸してくれと言いだし

100両奪おうとする

100両巡って斬り合いを始める二人

そこへ和尚吉三(岩田くん)がやってきて

どうして斬り合いをしているのかと問う

100両を巡っての諍いということを聞き

50両ずつ分けてはどうか、そして

自分の腕を一本50両で買わないか

100両を自分に譲ってくれと提案する和尚

和尚の漢気に感動する二人

お互い名乗ると

三人が同じ「吉三」の名前だという事に気づき

あまりの偶然に驚き、これは何かの縁だと

義兄弟の契りをかわす三人

100両はケンカを収めた和尚吉三の手に

 

義兄弟の契りをかわし、喜ぶ三人

お祭り騒ぎのOP

 

大騒ぎがカオスになり最高潮になったところで

謎の男が乱入

その場にいる人たちをどんどん斬り殺していく

謎の男が持っていた刀をお嬢が受けとり

三人の吉三が斬り合いを始める

吉三はお互いに殺し合い、全員倒れてしぬ

死体に降り積もる雪

 

寒さの中、お嬢が目を覚ます

「不思議な夢を見た、自分に義兄弟が出来た。

孤独な人生でこんな縁に恵まれるなんて幸せな事

でも、最後はなんかおかしなことが・・・」

 

それを見守る乱入してきた人物

紫の着物を着た若い男

「夢ではない、殺し殺され地獄絵図だった」

と告げる

義兄弟の契りを交わしたのに、自分が殺したのかと

愕然とするお嬢

 

ここは地獄

 

三人の吉三はあることからお互いに殺し合い

地獄へ落ちたのだ

服の重みは罪の重み

雪の降るのは地獄だから

 

もう一度自分が何をしたのか思い出せ

時間を巻き戻してやる

 

そういわれて現世へ舞い戻るお嬢

 

ー場面転換ー

 

時は19年前

安森(和泉さん)が名刀「康申丸」を将軍から預かり

持って歩いていると

伝吉(窪塚さん)に盗まれてしまう

伝吉は海老名軍臓(ありそさん)に頼まれて康申丸を盗む

海老名は旗本

康申丸を献上し出世しようと考えていた

 

名刀「康申丸」を盗まれた為

安森家はお家断絶、安森は切腹

 

康申丸を持って帰る途中伝吉は

野犬に吠えられ切り捨てる

野犬は双子の子犬を妊娠しており

呪いながら死んでいく

その呪いのせいか、せっかく盗んだ康申丸は河へ落ち行方不明に

 

 

ー場面転換ー

 

木屋は道具屋

19年ぶりに見つかった康申丸が木屋にあると

噂を聞いた海老名が100両で買いとりたいと言ってきた

海老名は金貸しの太郎(太郎ちゃん)から

100両借り受け

木屋へ払う事にした

木屋の手代、十三郎(井俣さん)はピッチピチの19歳

お使いで康申丸を売りに行く帰りに

代金の100両を手にしたまま

夜鷹のおとせと一夜を共にして

おとせの所に忘れてきてしまう

 

100両を無くした事に気付いた十三郎は

死んで詫びるしかないと河に飛び込もうとする

そこに通りかかった伝吉

命を粗末にするもんではないと諭し

100両無くしたという事情を聞き

家にかくまう

なんと、おとせは伝吉の娘だった

そのうち金を持って帰ってくるからと家に置かせてもらう十三郎

 

一方おとせは、お嬢に突き飛ばされ

河を流れているところを

野菜売りの久兵衛に助けられていた

 

久兵衛と共に帰ってくるおとせ

 

なんと久兵衛は十三郎の父だった

 

再会を喜ぶおとせと十三郎

 

お互いの子供を助け

子供同士は惹かれあっている

これはもう夫婦(めおと)になるしかない!

と盛り上がる

 

夫婦になるなら出生の秘密を隠しておけないと 

久兵衛は十三郎の身の上について語りだす

実は十三郎は拾い子

実子がいた体が弱く、女の恰好をして育てていた

しかし幼いころに何者かにさらわれ

捜し歩いてる所、寺の門前に捨てられている十三郎を

拾ったのだ

実子の代わりに十三郎を育てることに決めた

 

この話を聞いて青ざめる伝吉

 

そこへ和尚吉三が帰ってくる

和尚吉三は伝吉の長男だった

100両手に入れたので親孝行しようと持ってきたのだ

(この100両は十三郎が落とし、おとせが預かり、お嬢が盗み、義兄弟の証に和尚に託されたもの)

 

100両はいらぬと突っぱねる伝吉

100両あれば十三郎が助かるのではないかと言うが聞き入れない

 

実は・・・

伝吉は19年前、康申丸を盗んだ帰りに

双子を孕んだ野犬を切り殺した

同じころ妻は男女の双子を出産

野犬の呪いを恐れた伝吉は

男児の方を寺に置き去りにしたのだ

 

つまり、おとせと十三郎は双子の血を分けた兄妹だった

畜生道(近親相姦)に落ちた二人は夫婦に出来ないと語る

 

それを聞いた和尚は納得するが、

やはり100両は父にあげようと

こっそり門前に置いておく

それに気づいた伝吉は門から外へ投げ捨てる

 

そこへ何者かが通りかかり

100両を拾っていく

 

ー場面転換ー

19年ぶりに康申丸を手に入れたものの海老名は

安森に呪い殺される

そして康申丸はお地蔵さんの所へ

 

ー場面転換ー

 

遊郭でのんびり過ごす

木屋文理(龍ちゃん)と一重(未央さん)

木屋は道具屋で商売が上手くいき

今日も100両の商売がまとまったとご機嫌

羽振りも良い

一重に「嫁に来い」と何度も言うが

「お断りします」と返される

しかし、実は一重は文里に惚れており

妻がいる文里に遠慮していた

更に一重は身持ちの悪い兄がおり

文里に迷惑をかけるのではと考えていた

 

別の部屋にて

遊女の吉野(良子さん)と話をする釜屋弐兵衛(竹内さん)

弐兵衛はおとせを嫁にしたいと考えていた

しかし、怖い伝吉を父親にするのは気にいらない

一重も捨てがたいなどと言っていた

 

 

 

書き出すと長いです;;

続く!!

 

 

 

少年社中 「三人どころじゃない吉三」 2016/07/26ソワレ・7/27マチネ 紀伊国屋ホール ④ あらすじと考察